社会学者の研究メモ

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2008-01-01から1年間の記事一覧

ネットプリント

明日から韓国出張・報告、そのあと成田経由で仙台に行って日本社会学会で報告です。なのに日本社会学会用のハンドアウトがまだできてない。「韓国で仕上げて、仙台でプリントアウトか〜」と思って仙台のKinko'sを探したら...なんと関東より北にはKinko'sがな…

ASRの計量モデル

アメリカの社会学の論文といえば、ほとんどが計量分析を使ったもの。どうも最近はシンプルな計量モデルはほとんど使われていないようです。ひまなときにまとめてみようかと思いますが、とりあえずASR2007:72:5号が手元にあるので、ざっとみてみました。 Bloc…

Ecological Fallacy

「日教組組織率と学力」の相関が話題になっているみたいです。 「日教組強いと学力低い」中山説、調べてみれば相関なし(asahi.com, 2008年9月27日) この程度の分析で「相関なし」と断言して数百万人に周知してしまう基礎学力のなさはいかにもマスコミらし…

Stataの予測値コマンド

日常生活がヒッキーで何らエキサイティングなことがないので、またStataヒマネタ。Stataでモデルを推計したあとに予測値を計算するにはpredictコマンドを使いますが、最近出版された入門書(下記参照)でも紹介されているように、ユーザ提供のprvalueコマン…

Stataでマルチレベル・モデル

ちょうどマルチレベル・モデルの原稿を書いたので、ついでにこのネタ。マルチレベル・モデル(あるいは混合モデル)で分析したいときはHLMやSASのproc mixedがよく使われてますが、Stataでもversion9から分析可能になりました。ただし専用アプリのHLMなどと…

韓国から帰国

月曜日に帰ってきてたのですが、一息ついていました。というか、京都の暑さは異常。外に出る気になりません。ソウル大学での報告はふつうにうまくいきました。(内容はちょっと薄めだったけど...。)こういうのは場数だとばかりに、ヘロヘロ英語ながら一生懸…

Seoul National University

カンファレンスでのスピーチのため、本日ソウルに到着しました。滞在はソウル大学内のファカルティハウス。さすが韓国トップの大学だけあって、立派な宿泊施設があります。晩はホストのソウル大学Eun教授、共同報告者の韓国人研究者、その他台湾や香港から来…

札幌出張

学校の仕事で札幌に来てます。いや〜、これほど気温差があるとは。こちらの方が10度くらい低いです。半袖シャツだと少し寒い。よく考えると、私には札幌近郊に住んでいる知り合いがいないです。一人だとおいしいもの食べに行くのも限界があるなあ。ところで…

学部生の論文

筒井ゼミではどんなかたちでもいいから調査をさせるのを基本にしてます。とはいえ、そうすると内容がおのずと「調査できること」になっちゃうので、テーマ設定が狭くなりがち。問題意識や背景なんかでまずは広い視野を語ってもらうようにはしてますが、なか…

Erickson先生講演@明学

多様なソーシャル・キャピタルはいかにして手に入るのか:カナダにおける知見 (Varieties of Social Capital and Their Sources in Canada) by Bonnie Erickson (Toronto University) 26日に明治学院大学で行われたBonnie Erickson先生(トロント大学)の講…

知人の出版

徳永健一さん(数学博士)が翻訳されたルビンシュタインの本が出版されました。(徳さん、ありがとう〜。)限定合理性のモデリング作者: Ariel Rubinstein,兼田敏之,徳永健一出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2008/05/25メディア: 単行本 クリック: 9回この…

ソウル大学で報告

ソウル国立大学のEun教授からの招待で、8月8-9日のEast Asian Family Conferenceで報告をします。タイトルは"Mate Selection in Korea and Japan"(予定)です。成均館大学のKoh (Chi-young)博士との共同報告です。その時期に韓国におられることがあれば(っ…

学部ゼミ(6.18)

3、4回生合同でレクチャー。テーマは経済問題の基礎知識。会社組織、株式市場、景気、インフレ・デフレ、雇用問題などをざ〜っと説明。たまにゼミでもレクチャーやるんですが、経済学や経済問題へのリクエストがたまに来ます。授業ではあまり学ぶ機会がなか…

院ゼミ(6.16)

今日は自分で報告しました。院ゼミも参加人数が増えてきたので、ぼちぼち場所を変えるかな〜。 Miller McPherson, Lynn Smith-Lovin, and Matthew E. Brashears, 2006, "Social Isolation in America: Changes in Core Discussion Networks over Two Decades…

院ゼミ(6.9)

京大の院生による、日本における「社会的排除social exclusion」概念の適用可能性についての報告。報告者自身(フィンランド人の方)はこの概念自身にはどちらかといえば批判的で、もともとは社会民主主義的な福祉レジームの背景から生じてきたものだけに、…

Nan Lin先生の翻訳

いよいよ大詰め。翻訳はやっぱり時間がかかるなあ...。ちょうど一年ほど前に「最終段階」なんて書いてましたよ、私。出版社の方によれば、月内には出したいそうです。Social Capital: A Theory of Social Structure and Action (Structural Analysis in the …

JGSSカンファレンス

週末に「JGSS国際シンポジウム2008」(大阪商業大学)で報告します。日曜の方です。(会場言語は英語ですが、興味のある方はぜひ。)GSSのディレクター、Tom Smith博士もいらっしゃいます。私の報告は台湾、韓国の研究者との共同報告で、内容はEASS(East Asi…

院ゼミ(2008.6.2)

修士課程の子もいるし、英語に息切れしているといけないので、今週は論文一本だけ。 Arland Thornton and Thomas E. Fricke, 1987, Social Change and the Family: Comparative Perspectives from the West, China, and South Asia, Sociological Forum, 2(4…

進化経済学会

数週間前にスピーカーを頼まれたのですが、はてどういう話をしようか...。中途半端に経済学っぽい話をするより、やっぱり「社会学ではこう考える」というところから始めた方がいいんでしょうかね。ギデンズの構造化理論とヴェブレンの制度論って発想はほとん…

ASR:知名度か能力か?

今日は会議ばっかり(朝から4つ連続)であまり勉強できませんでした。このまま寝るのも悔しいので論文一個だけメモ。 Erin Leahey, 2007, "Not by Productivity Alone: How Visibility and Specialization Contribute to Academic Earnings". ASR, 72(4):533…

ASR:階級とステータス

ゼミで読むかもリストとして、最近のASR(American Sociologial Review)から、目についた論文をメモ。 Tak Wing Chan and John H. Goldthorpe, 2007, "Class and Status: The Conceptual Distinction and its Empirical Relevance". ASR, 72(4):512-532. Gold…

「市民メディア」について

以前から考えようと思っていた「市民メディア」について、腑に落ちる文章があったので引用します。 市民ジャーナリズムは、混乱と炎上を越えて立ち上がるか:オーマイニュース日本版船出の裏側(佐々木俊尚さん)東京・汐留にあるパークホテル東京のラウンジ…