社会学者の研究メモ

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2012-01-01から1年間の記事一覧

『はじめて学ぶ社会調査』

ご恵投いただきました。ありがとうございます。はじめて学ぶ社会調査: リサーチ・マインドを磨く8つのレクチャー作者: 儘田徹出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2012/10/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る第1講(「科学観の変…

『エスノメソドロジーと科学実践の社会学』

ご恵投いただきました。ありがとうございます。エスノメソドロジーと科学実践の社会学作者: マイケルリンチ,水川喜文,中村和生出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2012/10/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (19件) を見る以前原著を途中…

社会学方法論と社会調査論の関係

(長文かつ専門家向けであり、一部の人以外にとってはあまりおもしろくない記事なので、あらかじめご了承ください。) 教科書的な社会学方法論 教科書的な社会学方法論においては、主観主義的立場と客観主義的立場の分断について論じられることが多い。いく…

アンペイドワークについて

(2012.10.8追記:お勧め文献を追加しました。) 概念整理 社会学分野でも、ケア労働やアンペイドワークについて多くの理論的・概念的考察がなされてきた。しかし文献のなかには、概念的な混乱のために無駄な議論をしているものも多い。この記事では、アンペ…

第三回連携研究会を終えて

「人文学・社会科学における質的研究と量的研究の連携の可能性」第三回研究会(立命館大学朱雀キャンパス)が終了しました。前回までの研究会に続き、全国から30名程度の参加があり、職業研究者のみならず複数の出版社の方にも来ていただきました。参加者の…

計量分析を使った論文の構成ガイド

研究者個々人の好みや分野によって異なるところもあるが、標準的・テキストブック的には、以下のようになるだろう。 イントロダクション 先行研究の紹介と問い・仮説の設定 分析 結論/討議/インプリケーション この「分析」のパートについては、社会学界隈…

マルチレベル分析のハイブリッド・モデル

阪大の社会学界隈で、マルチレベルデータについてしばしば「ハイブリッドモデル」と呼ばれているモデリングの手法が実践されていたので、下記に目を通してみた。(以前読んでいたのだが、今回改めて。)Fixed Effects Regression Models (Quantitative Appli…

調査観察データの特徴に関する若干の誤解

以前書いたサンプリングについての記事では、「単純ランダムサンプリングが基本で、他のサンプリング方法はそのバリエーションだ」というよくある整理(誤解)が、サンプリングについての理解を妨げていることを論じた。今回は、「パネルデータは横断データ…

第三回連携研究会のお知らせ

下記PDFの要領で研究会を開催致します。参加希望の方は事前に告知文PDFにある連絡先までお願いします。会場がそれほど広くないので、万が一希望者多数の場合は参加制限することもございます。ご了承ください。「人文学・社会科学における質的研究と量的研究…

『タイム・バインド(時間の板挟み状態) 働く母親のワークライフバランス』

少しお知らせが遅くなりましたが、恵投いただきました。ありがとうございます。タイム・バインド(時間の板挟み状態) 働く母親のワークライフバランス―仕事・家庭・子どもをめぐる真実―作者: アーリー・ラッセル・ホックシールド,坂口緑,中野聡子,両角道代出…

『ミクロデータの計量分析』

恵投いただきました。ありがとうございます。ミクロデータの計量人口学 (人口学ライブラリー11)作者: 小島宏,安藏伸治出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る様々なミクロデータを使用した結婚や家族…

今年度の目標(ウソにならぬようがんばる)

テキストの出版(出版社の方を随分お待たせしている) O. ウィリアムソンの翻訳の出版(ノーベル記念経済学賞がどんどんと過去に...) 計量社会学のテキストの編集(成り行きもあって編者になっています) いくつか英語で出版(一つは進行中、あとはR&Rに答…

第二回連携研究会を終えて

「人文学・社会科学における質的研究と量的研究の連携の可能性」第二回研究会もなかなか盛り上がりました。結局前回と同程度の参加(30名弱)がありました。参加者の方々、ありがとうございました。本研究会の趣旨には、実は「連携」を模索すると言うよりは…

第二回連携研究会のお知らせ

下記PDFの要領で研究会を開催致します。参加希望の方は事前に告知文PDFにある連絡先までお願いします。会場がそれほど広くないので、万が一希望者多数の場合は参加制限することもございます。ご了承ください。ワークショップ「人文学・社会科学における質的…

説明と選抜:統計学における2つの「関心」

社会学者や経済学者にとって、統計学をベースにした計量分析とは、何かを因果的に説明する道具であるという側面がある。賃金を学歴で説明するというとき、それは他の条件が同じで学歴が変化したときの賃金の変化量を推定する、という意味である。(記述的な…