社会学者の研究メモ

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今年度の目標(2015年度版)

あれから一年経ちました。まずは「2014年度の目標」を振り返って達成度合いを確認します。

  • 新書の出版:校了! 5月に出版予定! 中公新書から、タイトルは『仕事と家族』(仮)です。
  • 社会学テキストの出版:SY社の方(単著テキスト)、事態が進行せず。編集者の方も音沙汰なし...。UH閣の方(共著テキスト)は徐々に進んでいます(部分的に執筆しました)。
  • 計量社会学のテキストの編集・執筆:原稿はほぼすべて集まりました。あとは編集作業。世界思想社から『計量社会学入門:社会をデータでよむ』として、今秋に出版予定です。
  • O. ウィリアムソンの翻訳の出版:少しずつ...がんばります。
  • パネル調査・分析の入門書の出版:ナカニシヤ出版より『パネルデータの調査と分析・入門』(仮)で今年度中には出版できると思います。

というわけで、達成率7割程度、といったところです。

その他、予定になかった成果。

  • 査読論文:がんばって英文ジャーナルに2本投稿していました(どっちもセカンドですが..)。最近続けて結果通知がきました。一本はR&R(レビュアーがかなり好意的なのでちゃんと修正すればたぶん掲載)、一本は掲載決定! 春になって運気上昇してた?

次は、今年度の目標。まずは継続分。

  • 社会学テキストの出版:SY社(単著テキスト)→編集者の人にコンタクトしたほうがいいかな...。すでに9割がた終わってるのですが。
  • 計量社会学のテキストの編集:奮闘します。世界思想社の担当さんもたいへんそうなので、こちらでできることはしなければ...。
  • O. ウィリアムソンの翻訳の出版:がんばります。
  • パネル調査・分析の入門書の出版:自分の原稿は〆切ひと月前に提出済み(というイヤな子)なので、あとは共著者のみなさん次第です。

次は新規。

  • 本(共著)の企画が2つありますが、こちらはぼちぼち。
  • 査読論文:和文雑誌に単著かファーストで一本投稿したいと思います。

あとは研究の基礎体力を付けるために、本と論文をたくさん読み込みたいです。最近は書くことが多くて「読み」に厚みがなくなって、底が浅い思考しかできなくなっているような気がする。

第58回数理社会学会

第58回の数理社会学会日本女子体育大学)が無事おわりました。参加されたみなさま、おつかれさまでした。

今回はセミナー(「傾向スコアを用いた欠測データ解析・選択バイアスの調整とその周辺」)に星野崇宏先生をお呼びし、シンポジウム(「幸福研究のフロンティア」)では大澤真幸先生が登場するなど、通常のセッション以外にも盛りだくさんの学会でした。

星野先生には、マッチングや傾向スコアによる共変量調整などの基本を踏まえつつも、欠測データの処理、ヘックマンモデルとの関連、(これまであまり顧みられなかった、傾向スコア分析での)共変量選択の方針など、テキストブックの範囲を少し超えるようなトピックにも触れていただき、刺激的でした。

日本の社会調査データにおいて欠測の調整がどの程度の効果を持つのかについては、経験的にはそれほど大きくないのでは、と感じている一方で、おそらく社会調査に携わる社会学者ならば、もし調整前と調整後で顕著な変化があった場合にはむしろ何がそれをもたらしたのかに興味をもつだろうな、とも思いました。

大澤先生のお話は、近年顕著にみられるようになった幸福度の(年齢にそった)U字現象を説明する仮説についてでした。なかなかの切れ味だったように思います。幸福度の長期推移の分析や国際比較を行う際のひとつの理論枠組みになるのでしょうか。

2013年度から学会の研究担当理事を拝命しており、任期中の学会はこれで3回目になります。残るはあと1回(2015年3月の久留米大学での大会)です。

USJI Weekで報告

USJIという組織が主催するカンファレンスで報告します。場所はワシントンDCの学振オフィス、9/8の10:30からです。

部会は"Event 8: Women and Foreign Workers: New Stakeholders of Abenomics?"、私のタイトル(予定)は"When Equal Opportunity Law Fails in Japan: Women's Labor Participation as an Unintended Consequence"です。

もしよければどうぞいらしてください。

(当日の発表の様子。スライドが写っていないので、内容がわかりにくいですが..。)

『立法学のフロンティア〈1〉立法学の哲学的再編』

共著者の井上彰先生よりいただきました。ありがとうございます。井上彰先生は「ハイエク立法理論の再検討」という章を執筆されています。

田村先生からいただいたご本に引き続き馴染みのない分野ですが、しっかりと勉強していきたいと思います。

立法学のフロンティア〈1〉立法学の哲学的再編

立法学のフロンティア〈1〉立法学の哲学的再編

『子ども・子育て支援新制度』

著者の前田正子先生よりいただきました。ありがとうございます。

2015年4月から施行される新制度が主テーマですが、各地自体の事例なども盛り込まれており、非常に読み応えがありました。改めて勉強させていただきました。

みんなでつくる子ども・子育て支援新制度

みんなでつくる子ども・子育て支援新制度

『SPSSによる応用多変量解析』

著者の三輪先生よりいただきました。ありがとうございます。

SPSSでマルチレベル(SPSSでは「線形混合モデル」)やパネルデータ分析まで解説! いつもながら頭が下がります。

SPSSによる応用多変量解析

SPSSによる応用多変量解析

『なぜ日本の公教育費は少ないのか』

著者の中澤渉先生よりいただきました。ありがとうございます。

まさにいま読まれるべき本だと思います。現在2章まで読みましたが、そこまででも納得できるところがたくさんありました。