第58回数理社会学会
第58回の数理社会学会(日本女子体育大学)が無事おわりました。参加されたみなさま、おつかれさまでした。
今回はセミナー(「傾向スコアを用いた欠測データ解析・選択バイアスの調整とその周辺」)に星野崇宏先生をお呼びし、シンポジウム(「幸福研究のフロンティア」)では大澤真幸先生が登場するなど、通常のセッション以外にも盛りだくさんの学会でした。
星野先生には、マッチングや傾向スコアによる共変量調整などの基本を踏まえつつも、欠測データの処理、ヘックマンモデルとの関連、(これまであまり顧みられなかった、傾向スコア分析での)共変量選択の方針など、テキストブックの範囲を少し超えるようなトピックにも触れていただき、刺激的でした。
日本の社会調査データにおいて欠測の調整がどの程度の効果を持つのかについては、経験的にはそれほど大きくないのでは、と感じている一方で、おそらく社会調査に携わる社会学者ならば、もし調整前と調整後で顕著な変化があった場合にはむしろ何がそれをもたらしたのかに興味をもつだろうな、とも思いました。
大澤先生のお話は、近年顕著にみられるようになった幸福度の(年齢にそった)U字現象を説明する仮説についてでした。なかなかの切れ味だったように思います。幸福度の長期推移の分析や国際比較を行う際のひとつの理論枠組みになるのでしょうか。
2013年度から学会の研究担当理事を拝命しており、任期中の学会はこれで3回目になります。残るはあと1回(2015年3月の久留米大学での大会)です。
USJI Weekで報告
USJIという組織が主催するカンファレンスで報告します。場所はワシントンDCの学振オフィス、9/8の10:30からです。
部会は"Event 8: Women and Foreign Workers: New Stakeholders of Abenomics?"、私のタイトル(予定)は"When Equal Opportunity Law Fails in Japan: Women's Labor Participation as an Unintended Consequence"です。
もしよければどうぞいらしてください。
(当日の発表の様子。スライドが写っていないので、内容がわかりにくいですが..。)
『立法学のフロンティア〈1〉立法学の哲学的再編』
共著者の井上彰先生よりいただきました。ありがとうございます。井上彰先生は「ハイエク立法理論の再検討」という章を執筆されています。
田村先生からいただいたご本に引き続き馴染みのない分野ですが、しっかりと勉強していきたいと思います。
- 作者: 井上達夫
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2014/07
- メディア: 単行本
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『子ども・子育て支援新制度』
著者の前田正子先生よりいただきました。ありがとうございます。
2015年4月から施行される新制度が主テーマですが、各地自体の事例なども盛り込まれており、非常に読み応えがありました。改めて勉強させていただきました。
- 作者: 前田正子
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2014/07/30
- メディア: 単行本
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『SPSSによる応用多変量解析』
著者の三輪先生よりいただきました。ありがとうございます。
SPSSでマルチレベル(SPSSでは「線形混合モデル」)やパネルデータ分析まで解説! いつもながら頭が下がります。
- 作者: 三輪哲,林雄亮
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2014/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『なぜ日本の公教育費は少ないのか』
著者の中澤渉先生よりいただきました。ありがとうございます。
まさにいま読まれるべき本だと思います。現在2章まで読みましたが、そこまででも納得できるところがたくさんありました。
なぜ日本の公教育費は少ないのか: 教育の公的役割を問いなおす
- 作者: 中澤渉
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2014/06/30
- メディア: 単行本
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『現代日本の「社会のこころ」』
著者の吉川先生よりいただきました。ありがとうございます。特に2章(「計量社会意識論の作法」)では、自分の価値関心からもいろいろ学ぶことがありました。
- 作者: 吉川徹
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2014/06/28
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