社会学者の研究メモ

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第58回数理社会学会

第58回の数理社会学会日本女子体育大学)が無事おわりました。参加されたみなさま、おつかれさまでした。

今回はセミナー(「傾向スコアを用いた欠測データ解析・選択バイアスの調整とその周辺」)に星野崇宏先生をお呼びし、シンポジウム(「幸福研究のフロンティア」)では大澤真幸先生が登場するなど、通常のセッション以外にも盛りだくさんの学会でした。

星野先生には、マッチングや傾向スコアによる共変量調整などの基本を踏まえつつも、欠測データの処理、ヘックマンモデルとの関連、(これまであまり顧みられなかった、傾向スコア分析での)共変量選択の方針など、テキストブックの範囲を少し超えるようなトピックにも触れていただき、刺激的でした。

日本の社会調査データにおいて欠測の調整がどの程度の効果を持つのかについては、経験的にはそれほど大きくないのでは、と感じている一方で、おそらく社会調査に携わる社会学者ならば、もし調整前と調整後で顕著な変化があった場合にはむしろ何がそれをもたらしたのかに興味をもつだろうな、とも思いました。

大澤先生のお話は、近年顕著にみられるようになった幸福度の(年齢にそった)U字現象を説明する仮説についてでした。なかなかの切れ味だったように思います。幸福度の長期推移の分析や国際比較を行う際のひとつの理論枠組みになるのでしょうか。

2013年度から学会の研究担当理事を拝命しており、任期中の学会はこれで3回目になります。残るはあと1回(2015年3月の久留米大学での大会)です。