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社会学者の研究メモ

はてなダイアリーから移転しました。

社会調査の政策学:政府統計の商業利用

「ウィキノミクス」と改正統計法大竹文雄先生)

上の大竹先生のページにあるような「政府統計を学術研究者に公開することは全体の厚生改善に貢献する」という主張は、大学の調査関係者のあいだでは昔からよく言われてきたことです。現在、大規模なもの小規模なものひっくるめて膨大な数の社会調査が行われており、調査者も被調査者も多くのコストを負担しています。民間企業や大学関係者が行っている統計調査のコストがどれくらいに上るのかについては推計が難しいのですが、政府の統計予算については分かります。経団連の意見書に書いてあったのですが、政府の統計支出は1999年度が約451億円、国勢調査が実施された2000年度が約985億円となっています。国全体の歳出からすれば小さな額でしょうが、政府以外の民間や大学関係者による調査コストの総額と比べれば莫大な額であることが予想できます。

2004年に経済社会統計整備推進委員会が設置され、2005年に報告書が作成されましたが、そこでも重複的調査による非効率性が指摘されています。

さて、政府統計を公開する際にクリアすべき(とされる)問題の一つとして、「商業利用をブロックする」というものがありますが...。はて。これはどこが問題なのでしょう? 商業利用には「公益性がない」から? ほんとにそうなんでしょうか? 政府統計を民間が利用したら経済がゼロサムになるのでしょうか。

この点についてはもう少し検討すべきかもしれません。