社会学者の研究メモ

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学術的討議のマナー

常日頃から思っていること。これだけ守れば、たとえそれが不毛な学際的討議でも、かなりストレスが減ると思うんですけど。

  • 文化とか多元性を説明項にしない。

これはもう...声を大にしていいたい。「それって欧米中心主義的発想でしょう? 文化的多元性を考慮してない。私が研究している地域*1では通用しない。」ってやつ。だからなんなんだ〜。ほんとにあなたは科学者か?といいたい。文化的多元性は説明されることであって、説明する道具ではない。だから経済とか社会構造の話をしているのです。

  • 「誰それの本・理論」の内容に言及しないで、それを利用して批判することは慎む。

「それはもうずっと前にパーソンズが書いてること。」そーですかはい。その内容を300字以内でわかりやすく説明して下さいませ。

  • 書かれていることとそれを報告している人を区別する。

これに対する違反も結構あります。心理学で「情報源の誤謬」と呼ばれている錯誤。たとえば私が「ギデンズは○○のようなことを言っている」と報告すると、すぐさま「○○なんて変だ」と私をお責めになること。僕が言ってんじゃないんだって。

*1:たいていアジア、アフリカか途上国。